こんにちは。モトリです。
「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズの中でも大人気の第5部「黄金の風」
漫画は1995年〜1999年まで連載され、アニメは2018年に制作されました。

アニメは原作を忠実に再現しており、公開当時にとても話題になりました
それまでの「ジョジョは男性が好きな作品」のイメージを覆し、多くの女性ファンが生まれました。

2022年1月から6部のアニメもスタート!さらに人気が加速しそうだね!
この先は第5部「黄金の風」のネタバレを含みますので、ご注意ください。
第5部は最後までスリルある展開が続き、最後には壮大な映画を見終わった後のような達成感が味わえます。
しかし、ある疑問が残ります。
その後は…どうなったの??
第5部は主人公ジョルノ・ジョバァーナがギャング組織「パッショーネ」の乗っ取りを計画し、ブチャラティと協力して組織のボスを倒す物語です。
最終回でジョルノはボスを打倒し、パッショーネの乗っ取りに成功、物語は終わります。
見終わると感動と同時に疑問が残ります。
ジョルノはボスになってパッショーネをどうしたの?
生き残ったミスタとポルナレフ(亀)はジョルノの部下になったの?
トリッシュはどんな人生を歩み出したの?
最後まで再登場しなかったフーゴはどうしているの?
ジョジョはあまり後日談が語られる作品ではありませんが、特に第5部は後日談がまったくありません。
アニメのラストシーンで分かることは、
- ジョルノがパッショーネのボスになった
- ミスタとポルナレフはパッショーネに残った
上記以外のことは分かりません。

エンディングのカット絵だけでもいいのでキャラクターのその後が知りたい!と思ってしまいました
- トリッシュがどうなったのか
- フーゴは組織に残っているのか
- 「必ず故郷に連れて帰る」と誓ったナランチャの遺体がどうなったのか
上記に関する説明はありません。
原作・アニメではその後は分かりませんが、スピンオフ小説で後日談を知ることができます。
恥知らずのパープルヘイズ(著・上遠野浩平/集英社文庫)
タイトルを見てハッ!となった方もいらっしゃると思います。
「パープルヘイズ」は組織を裏切ったジョルノとブチャラティと決別し、チームを途中で離脱したパンナコッタ・フーゴのスタンド名です。

「恥知らずのパープルヘイズ」は原作・アニメの半年後をフーゴを主役に書いた作品です
この小説にジョルノ、ミスタ、ポルナレフ、トリッシュ、そしてフーゴのその後が書かれています。
今回は「恥知らずのパープルヘイズ」から読み取れる、第5部「黄金の風」の後日談をご紹介しています。
結論
「恥知らずのパープルヘイズ」を読むことで、6つのことが分かります。
- フーゴは組織に残ったのか
- ジョルノはパッショーネをどう変えたか
- 生き残ったミスタとポルナレフの近況
- トリッシュはどんな人生を歩み出したか
- ナランチャの遺体は故郷に帰れたのか
- フーゴはジョルノと和解できたのか
1つずつご紹介していきます。
恥知らずのパープルヘイズはスピンオフ作品のため、公式の後日談ではありません。
登場人物の性格に違和感があったり、原作と辻褄が合わない箇所がありますので、これから読まれる方はご注意ください。

とても傑作のスピンオフ小説です。
原作との辻褄もほとんど合いますし、原作の不明点が綺麗に補完されています

第5部が好きな方は必見です
そもそも「恥知らずのパープルヘイズ」とは?
著者 | 上遠野浩平 |
挿絵 | 荒木飛呂彦 |
出版社 | 集英社 |
発売日 | 2011年9月16日 |
本のサイズ | 単行本、新書、文庫(3種) |
「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」のサブキャラクター「パンナコッタ・フーゴ」を主役に第5部の半年後を書く長編小説です。
ライトノベル「ブギーホップは笑わない」で有名な上遠野浩平さんが執筆され、挿絵は「ジョジョの奇妙な冒険」の原作者・荒木飛呂彦先生が描いています。
単行本・新書・文庫の3サイズで発売されており、トリッシュ単独の後日談も掲載されている新書か文庫がオススメです。

個人的には映像化をしてくれたらうれしいな〜と思うほどの物語の完成度が高いです

第5部のネタバレが多数含まれる内容なので、必ず第5部を見終わってから読みましょう!
フーゴは組織に残ったのか
- パッショーネを裏切ったわけではないので在籍はしている
- 新ボスのジョルノへの忠誠を示すために組織に違反したチームの後始末を任される
フーゴはジョルノたちとヴェネチアで決別した後、ネアポリスに戻ったことがアニメ第35話「鎮魂歌は静かに奏でられる その②」で判明します。

ナランチャが死亡し、彼のスタンド・エアロスミスが大空に飛び立った後、ネアポリスのリストランテ付近を歩くフーゴが描写されています。
第35話でフーゴが生存していることは確認できますが、組織に残っているかは分かりません。
しかしアニメ第21話「キング・グリムゾンの謎」でフーゴが「組織無くして僕らは生きられない」と発言していることから組織を抜けたとは考えづらい状況でした。
実際に「恥知らずのパープルヘイズ」では、パッショーネに在籍したままのフーゴがイタリア・ミラノにあるサッカー競技場に呼び出されるところから物語が始まります。
フーゴを呼び出したのは
グイード・ミスタ
ミスタはフーゴと同じくブチャラティの部下のひとりでした。
作中では凄腕の拳銃使いとして数多くの戦いで活躍し、ムードメーカーなお調子者としてナランチャと二人でチームを明るくしてくれました。

ミスタは生き残り、新生パッショーネで幹部となったようです
そんなミスタに呼び出されたフーゴは、
組織に違反したチームの暗殺を命じられる
フーゴは一度、ジョルノを裏切っている(実質、組織を裏切ったのはジョルノたちなのでフーゴは組織を裏切っていない)ため、ジョルノに対する忠誠を試すことが目的です。
命令に背くことはできず、フーゴは違反したチームの抹殺任務を請け負うことになります。
ジョルノはパッショーネをどう変えたのか
- ジョルノは「以前からパッショーネのボスは自分だった」ように振る舞った
- 組織に違反したチームの壊滅に乗り出した
ジョルノが組織を乗っ取る前のボス・ディアボロは、自分の正体をごく僅かな人物にしか明かしていませんでした。
顔も姿も年齢も分かっていないことをジョルノは利用し、
従来から自分がパッショーネのボスであったとし、裏切り者が正体を暴こうとして無関係な少女が巻き込まれる抗争に発展したため、堂々と姿を見せることにした
という設定を作り上げます。もちろん嘘です。
しかし、この作り上げた「設定」により、ボスの娘だったトリッシュは「まったく関係がないのに抗争に巻き込まれた気の毒な少女」になることができ、普通の生活を取り戻すことができました。

ジョルノ頭良すぎ!トリッシュがギャングの世界に関わらずに生きていけるようになってうれしい
ジョルノは裏社会の清浄化を目指し、薬物売買の横行を阻止していきます。

フーゴに任された違反したチームの壊滅は非常に重量な任務なのです
小説の中でジョルノを盲信するキャラクターが何人も登場することから、以前のボスであるディアボロよりも統率がとれた組織になっていることが伺えます。

ジョルノのカリスマ性は「JOJO」の力というより、ジョルノの父である「DIO」の血を感じます
生き残ったミスタとポルナレフの近況
- ポルナレフは組織のNo.2に、ミスタはNo.3になった
- ミスタは凄腕の拳銃使いの副長と呼ばれている
作中にミスタの口から自身とポルナレフの立場が語られます。
なぜミスタがNo.3かというと
2という数字は掛け合わせると4になるから縁起が悪い
という理由でした。
ミスタが初登場するアニメ第5話「ポルポの遺産を狙え!」で、「4ピースのケーキは食べたくない」と怒り、「4番目の船には乗りたくない」とブチャラティに懇願したミスタらしい選択です。
ミスタは「4」という数字を異常なまでに嫌い、漫画・アニメでも「4」を不吉とし、拒絶する描写は何度も描かれています。

ミスタがNo.3を選んだのは納得です
トリッシュはどんな人生を歩み出したのか
- 新人歌姫として歌手デビューをした
- パッショーネとの関わりは絶っている
「恥知らずのパープルヘイズ」の中で、トリッシュがラジオに出演し、歌声を披露している描写があります。
期待の新人で、CDデビューも決まっているようです
彼女のデビューや人気にパッショーネは横槍を入れておらず、トリッシュの実力だとジョルノは言います。

トリッシュはブチャラティが埋葬される時に立ち会っていません。
ジョルノが来ない方がいいとトリッシュを止めたためです
トリッシュは、「恋する兵士」という「戦地に赴いた兵士が故郷の恋人を想う」実在の歌を歌います。
このシーンは、トリッシュをディアボロから助けるために組織を裏切ったブチャラティにフーゴが向けたセリフの伏線回収になっています。
正気じゃないぜ!出会ったばかりの会話もろくすっぽしたことのない女の子のために!どんな音楽が好みかも知らないんだぞ!
アニメ「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」第21話「キング・クリムゾンの謎」
このシーンを最後にフーゴはブチャラティチームを離脱し、その後ストーリーに影響を与えることはありません。
「恥知らずのパープルヘイズ」では、この時ブチャラティに着いていかなかったことを後悔している描写が幾度も書かれています。
トリッシュのその後について詳しくはこちら。
ナランチャの遺体は故郷に帰れたのか
- ジョルノがネアポリスの教会にナランチャの名で多額の寄付をした際に葬式に出している
「恥知らずのパープルヘイズ」のオリジナルキャラクターであるヴラディミール・コカキから語られます。
アニメ第35話「鎮魂歌は静かに奏でられる その②」でナランチャ・ギルガはディアボロの襲撃に合い、命を落とします。
ナランチャの死亡を確認したジョルノは、ナランチャに向け
君はここに置いていく。もう誰も君をこれ以上傷つけたりしないように。決して。だが、君を必ず故郷に連れて帰る
アニメ「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」第35話「鎮魂歌は静かに奏でられる その②」
と約束し、白い花でナランチャの遺体を守るように包みます。

第5部で筆者が最も胸が苦しくなった号泣シーンです
ナランチャは死亡する前に
学校に行きたい
熱々のピッツァが食べたい
フーゴに会えたらまた頭悪いと馬鹿にされるのもいい
と故郷に帰った後にしたいこと語ります。
どれも叶う前に死んでしまい、遺体が故郷に帰れたかも分からないまま物語が終わってしまうので、このコカキのセリフに筆者はとても心が救われました。

ジョルノが約束を守らないとは思えないのですが、ナランチャが弔われたことがはっきりとわかるシーンなのでうれしかったです
ちなみに同じく戦死したアバッキオについては小説の中では語られていません。
フーゴはジョルノとミスタと和解できたのか
- ジョルノと和解し、ジョルノの部下になる
- ミスタと和解する描写はない
「恥知らずのパープルヘイズ」の終盤で違反したチームの抹消任務を終えたフーゴは、ジョルノに呼び出されます。
ジョルノは「ブチャラティはフーゴを信じていた。自分はブチャラティを信じていた。だから悩みはない」と言います。
ジョルノのブチャラティへの信頼が分かります。
どうだろう、パンナコッタ・フーゴ–––あらためて君の、その力と才能をぼくに貸してくれないか?ぼくには夢がある。そのためには仲間が必要なんだ
小説「恥知らずのパープルヘイズ」p304(文庫版)/著・上遠野浩平/集英社文庫
一歩を踏み出す勇気が出せないフーゴに、ジョルノがそう言って手を差し伸ばします。
それでも涙が出て、前に進むことができないフーゴにジョルノは「ぼくの方から半歩だけ近づこう」といいます。

チームを離脱したヴェネチアで一歩を踏み出すことができなかった自分を悔やむフーゴにとって、この一歩を踏み出せない気持ちには胸が打たれます
ジョルノへの一歩を踏み出したフーゴは、ジョルノに忠誠を誓います。
ここで「恥知らずのパープルヘイズ」が終わるので、ミスタとフーゴがその後どうなったかは書かれていませんが、ミスタ、フーゴ、ポルナレフでジョルノを支えていく未来が見えるような終わり方でした。

第5部のその後がどうなったのかが大幅に明らかになったので、5部が好きな方は一読の価値があります
ジョルノは6部以降には登場しませんが、ジョルノの3人の異母兄弟が第6部「ストーンオーシャン」に登場します。
ジョルノの異母兄弟について詳しくはこちら。
まとめ
今回は、「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」の後日談であるスピンオフ小説「恥知らずのパープルヘイズ」についてご紹介しました。
映像化、マンガ化はされていないため、小説のみで楽しむことができます。
「恥知らずのパープルヘイズ」を読むことで、第5部のその後を知ることができます。
知ることができる内容は、
- フーゴは組織に残ったのか
- ジョルノはパッショーネをどう変えたか
- 生き残ったミスタとポルナレフの近況
- トリッシュはどんな人生を歩み出したか
- ナランチャの遺体は故郷に帰れたのか
- フーゴはジョルノと和解できたのか
公式ではありませんが、後日談がまったくない第5部のその後を綺麗に補完した小説です。
第5部を見終わった後に読んでいただくことをオススメします。

他にも「石仮面」「シュトロハイム」「トニオ・トラサルディー」などジョジョの歴代の登場物も物語に書かれているため、ジョジョ好きの方は読んでいてたのしいと思います
「恥知らずのパープルヘイズ」が気になっていた!
第5部のその後が知りたかった!
という人の参考になればうれしいです!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
5部しか見たことがない
全話見たことない
前半で脱落しちゃった
という方に向けて、「ジョジョの奇妙な冒険」の見る順番のおすすめをまとめました。
