トリッシュのその後は?|黄金の風の後日談をスピンオフからご紹介

こんにちは。モトリです。

「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズの中でも大人気の第5部「黄金の風」

漫画は1995年〜1999年まで連載され、アニメは2018年に制作されました。

モトリ
モトリ

原作を忠実に再現したアニメは、とても話題になりました

それまでの「ジョジョは男性が好きな作品」のイメージを覆し、多くの女性ファンが生まれました。

この先は第5部「黄金の風」のネタバレを含みますので、ご注意ください。

物語の鍵となるヒロイン・トリッシュ。

主人公たちと敵対するボスの娘にして、実の父親から命を狙われる境遇でした。

物語の最後にボスは倒され、トリッシュを脅かす存在はいなくなります。

しかし、ある疑問が残ります。

トリッシュはその後どうなったの?

ジョジョはあまり後日談が語られる作品ではありませんが、特に第5部は後日談がまったくありません。

アニメのラストシーンで分かることは、

  • ジョルノがパッショーネのボスになった
  • ミスタとポルナレフはパッショーネに残った

上記以外のことは分かりません。

モトリ
モトリ

エンディングのカット絵だけでもいいのでキャラクターのその後が知りたい!と思ってしまいました

トリッシュがパッショーネにいないことは、エンディングから汲み取ることができます。

しかし、どのような人生を歩み出したのかは明らかになっていません。

トリッシュのその後は、あるスピンオフ小説で後日談を知ることができます。

恥知らずのパープルヘイズ

(著・上遠野浩平/集英社文庫)

タイトルを見てハッ!となった方もいらっしゃると思います。

「パープルヘイズ」は組織を裏切ったジョルノとブチャラティと決別し、チームを途中で離脱したパンナコッタ・フーゴのスタンド名です。

モトリ
モトリ

「恥知らずのパープルヘイズ」は原作・アニメの半年後をフーゴを主役に書いた作品です

ぬう
ぬう

知りたいのは、トリッシュのその後だよ!!

モトリ
モトリ

こちらの小説にトリッシュのその後も書かれています

「恥知らずのパープルヘイズ」から読み取れる、トリッシュのその後についてまとめていきます。

フーゴのその後についてはこちら。


結論

「恥知らずのパープルヘイズ」を読むことで判明するトリッシュのその後は、

  • 新人歌姫として歌手デビューをした
  • 以前は母親とステージに立っていた
  • ジョルノとローマで別れて以降会っていない
  • ブチャラティの葬式には参列せず、墓参りに訪れた

1つずつご紹介していきます。

恥知らずのパープルヘイズはスピンオフ作品のため、公式の後日談ではありません。

登場人物の性格に違和感があったり、原作と辻褄が合わない箇所がありますので、これから読まれる方はご注意ください。

モトリ
モトリ

原作愛を感じられるスピンオフ小説です。

原作との辻褄もほとんど合いますし、原作の不明点が綺麗に補完されています

ぬう
ぬう

第5部が好きな方は必見だね


恥知らずのパープルヘイズとは?

著者上遠野浩平
挿絵荒木飛呂彦
出版社集英社
発売日2011年9月16日
本のサイズ単行本、新書、文庫(3種)

「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」のサブキャラクター「パンナコッタ・フーゴ」を主役に第5部の半年後を書く長編小説です。

ライトノベル「ブギーホップは笑わない」で有名な上遠野浩平さんが執筆され、挿絵は「ジョジョの奇妙な冒険」の原作者・荒木飛呂彦先生が描いています。

単行本・新書・文庫の3サイズで発売されており、トリッシュ単独の後日談も掲載されている新書か文庫がオススメです。

モトリ
モトリ

映像化をしてくれたらうれしいな〜と思うほど物語の完成度が高いです

ぬう
ぬう

第5部のネタバレが多数含まれるので、第5部を見終わってから読んでね


新人歌姫として歌手デビューをした

「恥知らずのパープルヘイズ」の中で、トリッシュがラジオに出演し、歌声を披露する描写があります。

ラジオから流れる司会者とトリッシュへの質問から下記のことが判明します。

  • トリッシュは期待の新人歌手
  • CDデビューが決まっている

彼女のデビューや人気にパッショーネは横槍を入れておらず、トリッシュの実力だとジョルノは言います。

トリッシュは「恋する兵士」という戦地の兵士が故郷の恋人を想う実在の歌を歌います。

どのような歌か簡単にご紹介します。

タイトル「恋する兵士」
原題‘O Surdato ‘nnammurato 
作曲者エンリコ・カンニオ
(1875-1949、イタリア)
制作年1915年
言語ナポリ語

第一次世界大戦下で歌われた曲で、当時の世相にマッチし大ヒットしました。

現在もスポーツイベント等でイタリア人が歌っているのを耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

歌詞が非常に切ないながら、爽快感のある軽快な歌です。

歌詞の一部をご紹介します。

君はこの心から遠く離れてしまった
ぼくの思いは君へと飛ぶ
ぼくの望みはこれだけ
いつも君のそばにいること
君はこの恋を信じている?
ぼくは本当に君を愛している
 
君は命 僕の命
君は僕の心
僕の初恋だった
最初で最後の人だ
モトリ
モトリ

トリッシュのブチャラティへの気持ちと思うと切なくなります

トリッシュが「恋する兵士」を歌うシーンは、フーゴがトリッシュを助けるために組織を裏切ったブチャラティに向けたセリフの伏線回収になっています。

アニメのフーゴのセリフはこちらです。

正気じゃないぜ!出会ったばかりの会話もろくすっぽしたことのない女の子のために!どんな音楽が好みかも知らないんだぞ!

引用元:アニメ版 ジョジョの奇妙な冒険 第5部 黄金の風/第21話 キング・クリムゾンの謎

小説の中で、トリッシュの好きな歌を知ることができました。


以前は母親とステージに立っていた

トリッシュはラジオの中で、「ブチャラティと出会う前」と「ブチャラティと一緒に行動していた時」についても話しています。

  • かつて亡くなった母と一緒にステージに立っていた
  • 行方不明の期間は旅をしていた(ことになっている)

トリッシュの母・ドナテラが亡くなったことは、トリッシュをブチャラティに引き渡したペリーコロさんの口から語られます。

アニメのペリーコロさんのセリフはこちら。

2ヶ月ほど前のことじゃ。カラブリアの街の病院で、ドナテラという女が病気で死亡した。ドナテラは死ぬ何日か前、ソリッド・ナーゾという男を急に探させ始めた。その男ことトリッシュの父親。一人残される娘の行く末を案じての行動だったのだろう。

引用元:アニメ版 ジョジョの奇妙な冒険 第5部 黄金の風/第9話 ボスからの第一指令

トリッシュがペリーコロさんに保護される以前のことは原作では語られていません。

しかし「恥知らずのパープルヘイズ」で、母親が生きていた頃は一緒に芸能活動をしていたことが判明しました。

ブチャラティたちと行動をしている時は、世間的には行方不明の扱いだったようです。

行方不明の期間は何をしていたの?とラジオ番組の司会者に聞かれると、

母の死のショックから旅に出ていた

サルディニアやローマを訪れた

友達のおかげで母の死から立ち直れた

とトリッシュは答えます。

参考までにサルディニアとローマでの出来事をまとめました。

サルディニア・ドッピオVSリゾット
・ボスの素顔が判明
・アバッキオ戦死
ローマ・チョコラータ戦
・ポルナレフと合流
・ディアボロ戦
・ナランチャ戦死
・ブチャラティ戦死
ぬう
ぬう

過酷ぅ…


ジョルノとはローマで別れて以降会っていない

「恥知らずのパープルヘイズ」の文庫・新書版には、「トリッシュ、花を手向ける」という短編も掲載されてます。

短編からトリッシュとジョルノは、ローマで別れたことが明らかになりました。

モトリ
モトリ

ローマは原作・アニメの最終決戦の地で、第5部の物語はローマで終わります

原作・アニメは、トリッシュがブチャラティの死を知る前に完結します。

トリッシュの最終の登場シーンは、ミスタと元の姿に戻ったことを喜びあい、生きていると信じているブチャラティを迎えにコロッセオに向かう場面です。

引用元:ジョジョの奇妙な冒険 第5部 黄金の風/文庫版 39巻 p324/集英社文庫

短編では、トリッシュとミスタがブチャラティの死を悟ったシーンが書かれています

ミスタはジョルノを怒鳴りつけ、トリッシュは呆然とするばかりでした。

そして、ジョルノがトリッシュに別れを告げた小説の一文がこちら。

「君はここまでだ、トリッシュ・ウナ」それは宣告だった。

引用元:小説「恥知らずのパープルヘイズ」p323(文庫版)/著・上遠野浩平/集英社文庫

ジョルノが組織を乗っ取る前のボス・ディアボロ(トリッシュの父)は、自分の正体をごく僅かな人物にしか明かしていませんでした。

顔も姿も年齢も分かっていないことをジョルノは利用し、

従来から自分がパッショーネのボスであったとし、裏切り者が正体を暴こうとして無関係な少女が巻き込まれる抗争に発展したため、堂々と姿を見せることにした

という設定を作り上げます。もちろん嘘です。

この作り上げた「設定」により、ボスの娘だったトリッシュは「まったく関係がないのに抗争に巻き込まれた気の毒な少女」になることができ、普通の生活を取り戻すことができました。

ぬう
ぬう

トリッシュをボスから守るだけでなく、その先の人生も守ってくれたジョルノかっこよすぎる…


ブチャラティの葬式には参列していない

小説「恥知らずのパープルヘイズ」に掲載されている短編「トリッシュ、花を手向ける」で、ブチャラティの葬式にトリッシュが参列しなかったと書かれています。

小説の一文をご紹介します。

トリッシュがこの墓の前に来るのは、これが初めてだった。彼が埋葬されたときには立ち会わなかった。それを巻き毛で金髪の少年に止められたからだ。もう来ない方がいい、と。

引用元:小説「恥知らずのパープルヘイズ」p312(文庫版)/著・上遠野浩平/集英社文庫

ブチャラティの葬式に参列できなかったこと。

ジョルノから葬式に来ないよう告げられたことが分かります。

ぬう
ぬう

抗争に巻き込まれた気の毒な少女がお葬式に参列したら、辻褄が合わなくなっちゃうもんね

モトリ
モトリ

トリッシュの今後を考慮してのジョルノの考えだったのでしょう

しかし、トリッシュはブチャラティの墓参りにやってきます。

歌手活動を再開し出演したラジオ番組の帰りに立ち寄ったのです。

トリッシュはお供えに一輪の花を持参します。

白いチューリップ

ブチャラティの髪型に似てるから、とトリッシュは笑います。

引用元:ジョジョの奇妙な冒険 第5部 黄金の風/カラー版 7巻 表紙

確かに少し似てます(笑)

トリッシュは、ジョルノたちと違う人生を歩み出し、

  • ブチャラティはきっと後悔をしていない
  • ミスタは後ろを振り返る余裕はない
  • 自分の心だけ取り残されたまま

と感じています。

ブチャラティが死んだコロッセオに心が取り残され、宙ぶらりんで生きていると言います。

トリッシュは心の中でジョルノに向かって、

(ジョルノ、あなたには夢があるのでしょう。すべてを受け止めて、悲しみさえも力にするのでしょう。でも私は–––私たちは、そんなにまっすぐ生きられない–––

引用元:小説「恥知らずのパープルヘイズ」p327(文庫版)/著・上遠野浩平/集英社文庫

「私たち」とはお墓の前で偶然出会ったブチャラティの母とトリッシュ本人を指します。

ブチャラティの母は離婚をしたことで、ブチャラティと会う機会はありませんでした。

ぬう
ぬう

知らせを受けた時は葬式だったとブチャラティのお母さんが語ります

トリッシュにとってブチャラティは命の恩人で、実父から裏切られた時に支えてくれた人で、(自覚はありませんが)初恋の人でした。

その死は簡単に受け入れられるものではないでしょう。

モトリ
モトリ

トリッシュは、この先の本編には登場しません

歌手になったその先は分かりませんが、少しずつ立ち直って、強く生きていってほしいと祈るばかりです。


まとめ

ジョジョの奇妙な冒険 第5部「黄金の風」

物語の鍵となるヒロイン・トリッシュのその後についてまとめました。

原作・アニメ版で判明している後日談は、

  • ジョルノがパッショーネのボスになった
  • ミスタとポルナレフはパッショーネに残った

上記以外のことは分かりません。

トリッシュのその後は、スピンオフ小説で知ることができます。

恥知らずのパープルヘイズ

(著・上遠野浩平/集英社文庫)

ジョルノとブチャラティと決別し、チームを途中で離脱したパンナコッタ・フーゴの後日談を書いた作品ですが、トリッシュのその後についても少し記載がされています。

フーゴのその後についてはこちら。

「恥知らずのパープルヘイズ」を読むことで分かるトリッシュのその後は、

  • 新人歌姫として歌手デビューをした
  • 以前は母親とステージに立っていた
  • ジョルノとローマで別れて以降会っていない
  • ブチャラティの葬式には参列せず、墓参りに訪れた

ブチャラティの死から立ち直れていませんが、歌手として活動を再開し、少しずつ日常を取り戻しているようです。

原作・アニメでトリッシュの後日談は、2022年4月現在描かれてはいません。

少しずつ立ち直って、強く生きていってほしいと思うばかりです。

トリッシュのその後が気になる

トリッシュは一般人に戻ったの?

という方の参考になれば、うれしいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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